単一サービスケアプラン料減額という考えは正しいのか?

年が明けて、平成27年度介護報酬改定の骨子が明らかになってきましたね。
介護給付費分科会では色々と議論がなされたようですが、その中には給付抑制のためにはなりふり構わず、というものも見受けられます。
 
例えば、福祉用具のみ、あるいは単一サービスのみのケアプランは居宅介護支援費を減額しよう、というものです。
 
介護保険法第2条3項 にはこうあります。
第1項の保険給付は、被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、 被保険者の選択に基づき、 適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者または施設から総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない。
 
被保険者の選択に基づき、というのは措置制度とは決定的に異なる介護保険制度の理念です。
 
ケアプランにおいて利用するサービス、事業所は、被保険者の選択に基づいたものであることを前提にするのであれば、このことについて、ケアマネージャーの報酬を減額するという発想はおかしいことがわかります。
 
「このサービスだけでいい。」
「ベッドだけ借りられれば、後は自分で頑張る。」
こうした利用者様の意思決定で単一サービスになっていることについて、報酬を減額するというのは理念を形骸化させるものと言わざるを得ません。
 
また、ケアマネージャーにすれば、減額=ペナルティ ですから、
「もう1つのサービスを組み込めば、ペナルティを回避できる。」
「単一サービスよりは、利用を控えていただく方が良い。」
という誤ったメッセージを送ることになり、結果、利用者様よりケアマネージャーが上位に立つという構図が出来上がります。
 
考えようによれば、単一サービスプランで給付費抑制に貢献しているのに、複数サービスを推し進めて給付費増加に繋がるという、藪ヘビになりかねませんよね。(笑)
 
たしかに、5つの事業所と連絡調整を取るのに比べると、1つの事業所だけの連絡調整は手間が少ないだろう、というのはありますが、制度創設の理念と照らし合わせて正しいのかどうかを鑑みる必要があると思います。



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【2015.1.20掲載記事】

2022/8/5
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