「弱くても勝てます」
とても都合の良いタイトルにひかれて買ってしまいました。
題材になっているのは、物凄く偏差値が高く、東大進学率も高い開成高校の野球部です。
読み始める前は、「もしドラ」の二番煎じかと思っていましたが、読み進むと面白いのです。
野球をやったことがある人、野球ファンなら抱腹絶倒を覚悟してください。
開成野球部のセオリーは、打撃を物理現象と考えて、とにかく攻撃、守備は度外視、ドサクサに紛れて勝つというものです。
8番、9番バッターが出塁。
相手ピッチャーは下位に打たれたとショックを受ける。
そこへ強打者から並べた1番からの打順がたたみ掛ける。
いったん勢いがつけば誰も止められない。
勢いにまかせて大量点を取り、ドサクサに紛れて勝つ。
と。
このため守備の練習はほとんどしません。
1試合で処理する打球は1ポジションで3~8個。
猛烈な守備練習の効果を発揮できる打球は1個あるかないか。
そのために守備練習をするわけにはいかないということなのです。
付け加えると下手でも処理できる打球は飛んでくるそうで。
実際、開成高校は都大会で5回戦まで勝ち進み、3試合でコールド勝ちをしています。
関東一高(甲子園出場高)との練習試合でも、お笑いバラエティばりのエラーの連鎖で失点を重ねながらも、15-12で8回日没終了により負けという壮絶な打撃戦(といえるのか?)を演じています。
あまりにも下手すぎる守備が関東一高にも伝染して、そこからビッグイニングを作ったのです。
野球というのは、相手よりも1点以上多く点を取り、それを守りきる
というスポーツだと思っていましたが、
「守らない。ひたすら打ってドサクサでコールドにする」
という野球の概念を変えてしまうようなところがあります。
長嶋ジャイアンツが球界中の4番打者をかき集めても 「5点打線」 でした。
青木開成は、15点、20点とって勝つ野球をしています。
エンターテインメントとしもとっても面白そうなのです。
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【2013.2.6掲載記事】