アメリカの偉大なバンドから現代マーケティングを学びましょうという本です。
グレイトフル・デッド?
ほとんど聞いたこともないバンド名ですが、アメリカでは有名なんだそうです。
結成は1960年代、あのウッドストックでも演奏したそうで、ゴールドディスクが19枚、プラチナディスクが6枚、マルチプラチナが4枚というアルバムセールスを記録しています。
そのマーケティング手法で特徴的なものの1つが
録音・撮影自由
というものです。
ふつう、ミュージシャン・バンド・演奏家はコンサートの録音や写真撮影を禁止していますよね。(ドキドキしながら、ウォークマン (古っ) を持ち込んだ経験がある方も多いのでは?)
でも、このバンドはわざわざ録音するファンのために専用席を用意しているのです。一番バランスが良いミキサー卓の後ろに。
タダで録音されて、それが出回ったらレコードが売れなくなってしまう!
こうした危機感から、録音ならびに撮影は禁止されているようですが、会場で録音されたテープが出回ることで宣伝となり、冒頭のアルバムセールスにつながっているのです。
逆転の発想ですね。
また、チープなマイク、レコーダーを使った録音ではクオリティーは低いし、会場のノイズ、観客の叫び声なども入ってしまう。やはりファンとしては、プロ用機材を使ったクオリティーの高いものが欲しくなり、レコードを購入します。
グレイトフル・デッドの活動にはこうした顧客志向が強く表れているものがたくさんあり、それらは現代マーケティングに通じるものがあると著者の糸井重里氏は述べています。
あえて、常識とは反対のことをやってみる、変わり者でいる。そのことがユニークなビジネスモデルを生み出す、とも。
LADY GAGA はこれをマネしたのでしょう。
ファンによる会場での録音・撮影は許されていてYouTubeではたくさんのライブ映像を見ることができます。
ですが、LADY GAGAは決まった曲、決まった順番でツアーをこなすので、5月12日の録画映像を見たファンは、13日のコンサートに足を運ぶ前にステージセット、オープニング、曲順等の全容がわかってしまいます。(要はレタバレ)
グレイトフル・デッドの場合、コンサートごとに何を演奏するか、全く予想がつかないので前日の録音を聞いても、今日のコンサートに何の影響も受けません。ここが決定的に違うところと言えます。
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【2012.12.13掲載記事】
2020年現在、録画録音自由という外国人アーティストが主流となりましたが、大部分の人がスマートフォンを掲げて微動だにしない、というコンサートらしからぬ光景が気になるようになってしまいました。
後ろから見ている人にとっては邪魔になりますし。