まだ夏休み前なので、読書感想文には少し早いですね。
資本主義の「終わりの始まり」 藤原 章生 著 新潮選書
最近はやりの経済破綻本とは、趣が違って、数字ではなく、観念的なことに重きを置いています。
亡くなったギリシャの映画監督=テオ・アンゲロプロスの言葉を、著者がインタビューを重ねながら掘り下げていくのです。
「問題は、経済というものさしが、政治も倫理も美学もすべてのことを決めてしまう物語
(歴史)の中に私たちが生きているということだ。
ここから解放されよう。扉を開こう。
それが唯一の解決策だ。今の世代で始め、次の世代へと。
経済取引が第一原則ではなく、人間同士の交わりこそがすべての基本となるような世界
を、私たちは想像できるだろうか.......」
特に印象的な言葉でした。
何かおかしい。何故こんな世の中になってしまったのか....。
日頃ぼんやりと考えていたことは、この言葉そのものでした。
ひとたび、重大事故が起きれば住めなくなってしまうのに、何故、コストが安いという理由で原子力発電を進めようとするのでしょう..。
景気が悪い、景気が悪いと、孫世代に借金を押し付ける形で無意味な公共事業を続けてどうするのでしょう....?
経済成長の名の下に、これ以上貧富の差が拡大する世の中が続いていくのは、幸せなことでしょうか?
根本的な何かが変わっていくことを望みます。
【2011.9.20掲載記事】
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